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日本の歴史(神話―天の岩戸)

天の岩戸

天照大御神須佐之男命の暴行があまりにはげしいのを怒り、天の岩戸に隠れてしまったために、天地は闇となった。そこで八百万の神々は天の安河原に集い、高御産巣日神の子、思金神の知恵で、天照大御神を岩戸から引き出すこととなった。

 神々は長鳴鳥を集めて鳴かせ、伊斯許理度売命に鏡、玉祖命に玉、天児屋命(中臣氏の祖)・布刀玉命(忌部氏の祖)の二人に賢木(さかき)を用意させ、鏡、玉、および丹寸手(にぎて)(楮や麻の繊維で織った木綿)を賢木に垂(し)でて、布刀玉命には御幣(供物)を天児屋命には祝詞を奉らせた。そして天宇受売命(猿女氏の祖)は、日かげのかずらを襷(たすき)にかけ、つるまきを髪のかずらとし、小竹葉(ささは)を手に持ち、伏せた汙気(うけ)(おけ)の上にたった。そしておけを踏みとどろかしながら、神が人に乗り移った状態で、胸乳をあらわにだし、腰にまとう裳(も)のひもをおしさげ、陰部まであらわにして踊りつづけた。
 
 八百万の神々がこれをみてどっと笑ったので、天照大御神は、自分より尊い神があらわれたのかとあやしみ、岩戸をそっと押し開いた。天児屋命と布刀玉命とは、すかさず鏡をさしだして大御神に示すと、女神はますますあやしみ、岩戸から一歩足をふみ出した。このとき、岩陰に待っていた天手力男命(あめのたぢからお)はその手をとってひきだし、布刀玉命がしめ縄を張って岩戸にかえれないようにした。こうして、高天原、葦原中国(あしはらのなかつくに)まで、またおのずから照り明るようになった。
 
 そこで神々は、須佐之男命に千位置戸(ちくらおきど)(祓いの品物をおく台)をおわせ、ひげも手足の爪もぬいて天上から追放した。

by maxim0427 | 2011-04-30 09:06 | 日本の歴史(中央公論社)より  

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