日本の歴史(金印の意味)


金印の意味

奴国の王の金印「漢倭奴国王」の印は、もと藩主の黒田家の所蔵となている。
一辺は、二・三センチの純金の方印で、つまみは蛇鈕(だちゅう)といって蛇の形をしている。

この金印は、漢が属国の首長(外臣)にたいして授けていた印の制度に合っているところと、ないところがあるという。

合っているところ
・漢:漢帝がさずけたということの意味
・一辺二・三センチの正方形という大きさが漢の一寸四方に相当すること。
・陰刻になっていること。

合っていないところ
・本来なら、印文の末に『印』『章』などとあるべきところにそれがないところ。
・つまみが亀鈕(きちゅう)であるべきなのに蛇鈕(だちゅう)であること。
・異民族の王なのに、某国王と『国』の字のあること。

このように合わない点があるところから、この金印は偽物だという説もなされてきた。
しかし、近年、雲南省で滇民族(てん)の族長の漢の与えた金印が発見された。
この金印も鈕はやはり蛇鈕であり「滇王之印」という四字の刻文も、漢の外臣にたいする印制と合わないところが多かったところから、金印偽物説の論拠が薄弱であったことを示している。

滇王之印は、この王がなかば王朝の官僚、すなわち内臣であり、なかば外臣でもあることのために、二種の印制を兼ね合わせた独自の印をさずけたのであり、また、奴国王の印は、奴国王が普通の意味の外臣ではなく、漢の皇帝の徳化を破り、朝貢の栄を有するが、しかも皇帝の臣下としては、遇せられない異民族の首長、すなわち、不臣の外臣であったために、独自の印をさずかったのであろうと仮説がたてられる。

by maxim0427 | 2011-09-05 14:10 | 日本の歴史(中央公論社)より  

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